19歳で心斎橋のヘアサロンで働いていましたが、当時の僕はずいぶんととがったヤツで・・・（汗）

シャンプーの試験にも一番に合格して、いい気になってたくさんのお客様にもシャンプー指名をいただいていました。

そんな時、あるお客様から

『あなたのシャンプーは気持ちがいいとは思えないわ！』

なんでやねん・・・俺、同期の中でも一番シャンプーを合格したし、指名をしてくださるお客様もたくさんいるのに・・・。

なんでやねん･･･俺のシャンプーは気持ちいいはずやのに・・・。

なんでやねん・・・このお客様は俺に意地悪をしたいのかな・・・？

そう思って、そのお客様がご来店されたときには

『僕がシャンプーのお代金をお支払いしますのでどうか僕にシャンプーをさせてください！！』

って毎回ずっと頭を下げてシャンプーさせてもらってました。

（今の時代じゃこれってどうなんでしょ？でも事実なんだから仕方ないですね）

一生懸命やっても、ぜんぜん気持ちよかったわよ！がんばんなさい！

なんてお声をいただくことはありませんでした。

そして一年位経ったとき、そのお客様が転勤かお引越しをされるとかでご来店が最後ということ聞き、最後のご来店だということもあり

いつも以上に気持ちをこめたシャンプーをさせて頂き、その後店長がカットに入り、そしてお会計を迎えます。

『あなた、ちょっとこっちいらっしゃい。』

『やべえ・・・気合いいれてシャンプーしすぎたせいで怒られる（泣）』

『なんか店長も怒ってるように見えるじゃん・・・』

って思ったんですけど、自分なりに真剣にお客様のことを想ってシャンプーしてきたことには間違いない！と思いお客様の元へ向かいました。

するとそのお客様は

『あなた、絶対良い美容師になるわ。私の目に狂いはないもの。これはあなたへのプレゼントよ。』

といって、僕が今までお客様にお支払いしていたシャンプーのお代金をそっくりそのままお返ししていただきました。

ほんとにいい思い出で、20年経った今でもよく覚えています。

スマートにやるってことは

ってことです（笑）

今、美容師を全力で頑張っていますか？全力で楽しんでますか？全力で考えてますか？

何事も全力で取り組んでも必ずしもその努力が報われるわけではないのが現実です。

適度に美容師やって、適度に楽しんで、適度に考える。

それじゃあ、実っても

にしかなれないですね。それも運がよければです。

美容師になるという長い道のり。

いくら技術があっても、いくら知識があってもお客様に必要とされなければただの知識人だと思います。

もっともっと、僕の経験からなる

を若い美容師達にも伝えていければって思って